2019年08月08日時点の記事です。
ファン投票1位、ここで魅せる
来年に東京五輪を控え、競技への比重が大きくなるなかで、19年の始動となった3月の大垣ウィナーズカップを1121着で優勝。続くゴールデンウイークの松戸ダービーを4連勝の完全V。“脇本一強”時代を印象づけた。が、6月の岸和田、高松宮記念杯では3815着。ファイナルに進出し、連係した中川誠一郎が優勝を遂げ力を示したものの、G1連覇を期待したファンにとっても、脇本雄太自身にとっても納得のいくものではなかった。
「ここまでの3日間が悪くて、自分で何かを変えようと思った。悪いなかでもここまで戦えることを証明できた。ここから調整して、次のオールスターに向けて頑張りたい」
競技大会でのロシア遠征による腰痛の影響も少なからずあった。それだけに、初のファン投票1位に輝いたオールスターでの巻き返しは必至だろう。
手応えつかみ、G1で結果を
今年21勝は、S級S班のなかではトップ。それでも優勝になかなか結びつかない前半にもどかしさを感じていた。6月末の久留米記念で今年初優勝を飾ると、新車を投入した直前の西武園記念で通算20回目の記念V。ようやく軌道に乗ってきた。
「前半は(グランプリ出場が)まったく見えなかったのが、中盤から結果が出てきてイケそうかなっていうのがある。(優勝しての)賞金がどうこうじゃなくて、自分の動きがそういう(納得できる)感じになってきた」
実戦に投入する前から大きな期待を寄せていた新車も、シリーズで日を追うごとに体との一体感が出てきた。
「大幅に変えた(新車が)日に日になじんで、決勝が一番良かった。自転車とマッチしてきて進み方もいいし、これでスピードに対応できるかなと。あとは合宿にいって、上積みができれば」
復帰後得たものを形に
今年前半戦は落車も多く不本意な成績に終わってしまった。それでもファン投票の結果は自身も驚きの4位。「今年は成績を残してないのにありがたい」と1万を超える票を投じてくれたファンに感謝の言葉を口にした。
2月全日本選抜の落車、失格で6月はあっせん停止。復帰後は小松島記念、サマーナイトと振るわなかったが、「結果は悪いけど、つかんだものはある。小松島では見つけきれなかったものを、サマーナイトでは見つけられた。感触はいいので、そこをトレーニングしてオールスターへ」の言葉どおり、大垣記念ではきっちりと決勝戦に駒を進めた。「練習だけでは意味がない。競走で強くなる」のが浅井のスタイルであり、強みだ。復帰後の3戦で感じたものをどうオールスターにつなげていくのか、その走りに注目だ。
上昇気流に乗って
全日本選抜こそ落車に見舞われたが、ダービーで準V。宮杯でも決勝進出と、赤パンツで戦う今年もマイペースで結果を残している。サマーナイトは準決で敗退も、「オールスターがあるのでもう一回、気合を入れ直してきた」と、挑んだ直前の弥彦記念では3連勝で決勝にコマを進めた。
「ダービーの準決から自力のレースで1着がなかったし、記念を3連勝で勝ち上がったのは初めて。2日目から自転車を変えて、久々にしっくりきました。今開催でつかめたものがあるし、体もだんだん良くなってきていると思います」
さらに今節は、7月大垣で記念初優勝を飾った同県同級生の宮本隼輔がG1に初参戦。「(宮本)隼輔と一緒に走りたいですね。準決勝くらいで一緒のレースになってくれれば(笑)」。悲願のタイトル奪取へ。期待は膨らむばかりだ。
久々のビッグ制覇も変わらぬ姿勢で
1月松阪、2月奈良と記念を2度の制覇。幸先のいいスタートを切ると、その後も高いレベルで安定した戦績を残してきた。そして7月別府のサマーナイトフェスティバルでは、渡邉雄太マークから、まくりを寸前で交わしてV。14年全日本選抜以来のビッグ優勝を飾った。
「今年はチャレンジャー精神っていうのを目標に掲げてやっている。だけど40歳になってビッグを獲れるとは思ってもなかった。自分がやってきたなかで、ひとつホッとしたところもある。競輪界を代表する若い選手、渡邉雄太君を差せたっていうのは。自分がやってきたことに自信をもっていいのかなって思う」
3年ぶりのS級S班に返り咲いた今年は、守りに入ることなく攻めのチャレンジ精神を貫き結果を出した。日々、変わりゆく輪界の潮流を、村上博幸は鋭敏に感じ取っている。
アフロ効果で9位選出
初出場で初優出と衝撃のG1デビューを飾った昨年大会から1年。今年はファン投票9位、「ドリームレース」からシリーズをスタートさせる。「去年のインパクトがあったのかも。あとはここですね。たぶんそこが大きい」。もはや代名詞ともなったアフロヘア―を指さして山崎は笑う。
年末の落車で序盤は調子を落としていたが、6月久留米記念では新車もかみ合いシリーズ2勝。サマーナイトフェスティバルでも3日間バックを取って2連対した。
「今年は(勝ち)星が稼げてない。それでファン投票9位はうれしくもあり頑張らないと。今はだいぶ良くなってきてるし、また自分のレースで戦えてる。投票してくれたファンの期待を裏切らないように、精いっぱい頑張ります」
昨年ファイナルの思い出の舞台で再度、山崎が大暴れする。
この勢いを止めることなく
今年はウィナーズカップでビッグ初優出を果たし、ダービーではG1ファイナルの舞台を経験。さらに、サマーナイトで準Vと一気に輪界の階段を駆け上がった。
「最近は無理やり仕掛けるんじゃなくて、流れにそって走れていると思います。先行しても良いし、(好位に)はまれればラッキーだし。気持ちに余裕がでてきました」
現在の賞金ランキングはトップ10入り。年末に向けての勝負はここからが本番だが、直前の西武園記念で落車のアクシデントがあった。
「指は痛いけど、体は大丈夫です。賞金でも良いところにいるんで、なんとか決勝を目指して頑張りたい」
もう一度気持ちを入れ直し、後半戦のG1でも結果を残す。
本番を前に思わぬ誤算
今年はG1前の開催で立て続けに落車している吉田だが、全日本選抜で優出するなどタフなところを見せていた。高松宮記念杯でも1253着とまずまずの成績。今回も大丈夫かと思われたが、「さすがに年間、6回転ぶとね…」。大事な地元ビッグを前にしてスランプに陥ってしまった。
「この1カ月、まったく体がスッキリしない。本番までに仕事が空いたし、やりたいことがあったけど、今は無理してやるべきじゃないなと。計画は大幅に崩れてる」
まずは落車のダメージで崩れてしまったバランスを地道に戻す作業から。「体調さえ戻れば、やれる自信はある」と吉田は断言する。「焦る時期だし、葛藤はある。でも時間があるので、そこをプラスにとらえて。しっかり走れる体に戻すしかない」。時間が解決してくれることを願うばかりだ。
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