2019年08月05日時点の記事です。
第62回オールスター競輪は名古屋競輪場において8月14日~18日の日程で開催される。脇本雄太、新田祐大、深谷知広らナショナルチームのメンバーはもとより、全国各地で旋風を巻き起こしている第113期生の出世頭・宮本隼輔、松井宏佑がG1初参戦。最高のメンバーによるV争いは目が離せない。
ここ2、3年のG1開催はワールドカップ、世界選などに出場するためナショナルチームの選手が不在の時もあったが、今シリーズはそろって参戦する。しかも記念開催で自慢のスピードを猛アピールしている第113期生の若武者・宮本隼輔、松井宏佑がG1開催に初参戦するとあって、これ以上は望めぬ好メンバーとなった。
それでもオールスター連覇を目指す脇本雄太の優位は揺るぎない。昨年の脇本はオールスター、寬仁親王牌でVをゲットしていて、高松宮記念杯、競輪祭は準V。今年もダービーは4連勝でV、高松宮記念杯の決勝は逃げて5着に沈んだものの、主導権は誰にも渡していない。G1開催の戦績は他を大きくリードしていて、しかも自力勝負によるものだけに数字は素直に評価できる。名古屋はスピードバンクなのも追い風で、世界の舞台で暴れまわっている異次元のスピードでオールスター連覇を達成し、ファン投票第1位で選出された期待に応えよう。近畿勢では村上博幸が年頭から安定した走りを披露している。1月松阪記念、2月奈良記念で優勝すると、7月にはサマーナイトフェスティバルを制し、久しぶりにビッグレースをものにした。古性優作は昨年のオールスター決勝、今年はダービー決勝で脇本雄の番手を回ったが、いずれも脇本が優勝したのに対し、古性は続けなかった。G1初Vに最大の課題となりそうだ。
相変わらず高いレベルで成績安定している平原康多ながら、今年はビッグレースでの成績はやや物足りない。高松宮記念杯、サマーナイトフェスティバルで決勝に乗っているが、いずれも7着に終わっている。調子には問題がないだけに、そろそろ結果を出したいところ。
競技中心のスケジュールのため、今年はまだ3場所しか走っていない深谷知広だが、ダービー1219着、高松宮記念杯3142着と脚力は優勝を狙えるレベルだ。地元のG1とあっては思い入れも違うはずで、好発進を決めて2014年の寬仁親王牌以来のG1奪取も考えられる。浅井康太は最近の動きは今一つで、成績もあまりまとまっていない。しかしながら、修正能力は高いだけに、俊敏な立ち回りで優勝争いを賑わしても不思議ではない。
全日本選抜、高松宮記念杯と今年は2Vを達成している中川誠一郎。高松宮記念杯の決勝では脇本雄の仕掛けにきっちり続いて差しただけに、スピード、ダッシュ力には素晴らしいものがある。自力も健在なので目が離せない。
新田祐大、佐藤慎太郎の福島コンビは連係実績が豊富で、高松宮記念杯の初日特選(東日本)ではワンツーを決めている。新田は高松宮記念杯準Vは上がり10秒8のまくりで中川誠に迫っていてスピードは秀逸。後手を踏まされなければ好勝負に持ち込める。
層が厚い中四国勢からも目が離せない。ここに来て調子を上げてきた清水裕友、持ち味の自在戦に一段と磨きがかかった松浦悠士、今年は記念2V、ウィナーズカップで優参と自力攻撃の破壊力を増してきた太田竜馬、百戦錬磨の小倉竜二と多士済々の実力者がそろっている。
地元の大一番に燃える長澤彩に期待する。1月四日市、2月伊東を連覇した後は優勝できていないが、通常開催の予選は3着が1回ある以外はオール連対と高いレベルで安定している。また、ガールズケイリンフェスティバルの予選1では児玉碧を破るヒットも飛ばしたばかり。奥井迪、佐藤水菜、石井貴子とそろった積極タイプを相手に先行はないだろうが、後方に置かれない組み立てからしっかり仕掛けて、この「アルテミス賞」連覇を果たす。
女王・児玉と並ぶ今年12Vを果たし、賞金ランクも4位と佐藤の進撃が止まらない。デビュー1年とは思えない巧者ぶりで、出切ってしまえば絶妙なペース配分で敵の反撃を封じるし、流れに応じてまくりに回ったりと攻め口も多彩。苦手なダッシュ強烈な同型は不在なここは特別初Vのチャンスだ。
勝負強さなら小林莉子が最右翼。今年V5だが、破った相手は児玉、梅川風をはじめ一線級ばかりだ。前々好位キープからの差し、まくりと勝ちパターンを持っているのは強みだろう。今年8Vと奥井もタフな走りを見せている。同型は手強いが一歩も引かない。
昨年の「ドリームレース」を制して名実ともにガールズの頂点へと駆け上った児玉碧衣。今年はここまで45戦40勝、2着4回、3着1回。レース運びもより積極性を増していて、レベルの違うダッシュで早めに他の自力型を潰して勝負するスタイルはファン投票1位に相応しいもの。しかし、今回は3月のコレクションに続き大きな壁が児玉の前に立ちはだかる。ファン投票2位の小林優香だ。念願だった東京オリンピック出場を自らの脚ではぼ確実なものとした小林は今年8戦8勝。児玉にも前記のコレクションでまくり勝ちしている。ここを走ったらすぐに競技のシーズンに入るため、今回が今年最後のレースとなる可能性が高い。児玉が先に仕掛け、それをまくりにいく競走が予想されるが、世界トップクラスの豪脚で児玉をもねじ伏せ、投票してくれたファンに恩返しする。
図抜けた両者に迫れるなら、乱調は脱した石井寛子か、7月平塚の途中欠場の影響がなければ石井貴子。レース巧者で鳴らす2人。切れ味を生かした組み立てで波乱を呼びたい。太田りゆは競技の脚を発揮できれば。
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