学びの多かったスプリントとケイリンをプレイバック マレーシア遠征を終えて/ふ〜こらむ vol.34
2023.07.09
チーム楽天Kドリームス所属、梅川風子選手によるコラムVol.34をお届けします。6月19日に終了した『2023アジア選手権トラック』の振り返り、第2弾です!
梅川風子プロフィール

元・全日本学生選手権優勝のスピードスケーター。チームスプリントに軸足を置く一方、個人種目でも成績を納める。パリオリンピック出場枠獲得を目指し奮闘中!
前回(Vol.33)はこちらから
梅川風子 アジア選手権の成績一覧
| 種目 | 順位 | 備考 |
| スプリント | 銅メダル | 予選:10秒643※日本新 |
| ケイリン | 銀メダル | |
| チームスプリント | 銀メダル | 予選のみ出場、タイムは48秒044 |
末恐ろしい選手との対戦
暑くなってきて最高です、私の好きな季節です!
ただ暑い中クーラーの下でのんびりするのが好きなだけですけどね!!!
さて、アジア戦のこともうみんな忘れちゃった……?笑
忘れてたら思い出そうね!
前回はチームスプリントの話で、今回の話はスプリントとケイリンのお話です(→前回の記事はこちら!)。

スプリントの結果は3位で「う〜ん妥当かっ」って感じなんですが、苦手なスプリントの予選のハロン(200mFTT)はちょいとチートなバンクで自己ベスト更新!と、嬉しい事もありました。
印象に残ってるのは、3-4位決定戦で走った中国のユイ(JIANG Yulu)ちゃん。

スプリントで対戦した、中国のJIANG Yulu
第一印象、でかっ!!!!
ってか誰……?また新しい人入れてきたじゃん中国……!
中国はメンバーがめちゃめちゃ多いので新人登場に驚きはしないのですが、明らかにでかいの、身体が!!
予選や1/8決勝見てても踏み方がめちゃくちゃパワフルで、上がりタイムも速くて……「スローの展開にしたら負ける」ってのだけインプットしてレースに臨みました。

結果的に勝つには勝てたんですが、ユイちゃんは私より全然経験がなくて、まだ「スプリントとは?」って感じで力一杯走っているだけ。「これからやばい選手になるのでは?」って思っちゃうくらいパワー満ち溢れる選手。。
実際500TT優勝してましたからね。。
ユイちゃん、18歳

女子500mTT表彰式
そんなユイちゃん、表記はYuluって書くんですが、ユイちゃんって呼んでるのは理由があって……
レース後、帰りのシャトルバスを待ってる時に話しかけてきてくれたんですが、その時に「ユイちゃんデース」って言ってたので、ユイちゃんって呼んでいます。でも中国語的に正しくはどう読むのかわかりません。
私たちが「ユイちゃん?!かわいーねー!!」って言ったら体クネクネさせて照れたのも可愛かったユイちゃん(笑)
ユイちゃんデースって話しかけてきたのは、日本のアニメが好きで日本語がちょっとだけ話せたから、だそう。シャイながらも沢山話してくれました。
ドラゴンボールが好きとか、NARUTO知ってるとか、鬼滅の刃の話もしてたし。。
スマホカバーもドラゴンボール。
よくよく聞けば18歳だって。
しかも自転車競技始めたばっかなんだって。
それなのにワットバイクでダッシュすると1700w出るんだって。
それって男子の数値。。
私なんて出しても1200wですよ……。
末恐ろしい中国の18歳でした。
レース終わったあとも「アシ、イタイ〜(>_<)」って言ってて、すっごい嫌そうな顔してました……(笑)

女子スプリント表彰台式
2日間に分けて行われたスプリントでしたが、1日で全てやるわけじゃなかったので1日4本、計8本でまんべんなく走り切るいい日程でした。
そうそう、そうすべきだよ本来ね……!
スプリントは「侍の斬り合い」
競技初心者・酒井アキちゃんが「スプリントってあんなに最初ゆっくり走って、そうかと思ったら大体同じところからスピードが上がり出して、よくわかりません」って言ってて、「私も全く同じこと思ってたわ!」って思います。

先頭が酒井亜樹。BMXレーシングからトラック競技に参入してまだ日が浅い
不思議なものでスプリントをやり始めたら、その意味はよく分かるのですが……スプリントの走り方について、昔、深谷知広さんが「映画で見る『侍の斬り合い』」と言っていたのが一番しっくりくるように思います。
と言っても我々も別に剣士ではないので、本当に斬り合ったことはないんですが……
いつ刀を振りかざすかを探りながら、見合って見合ってゆっくり走って、いきなり刀を振りかざすみたいにスピードを上げる。それは同時に、相手にも刀を振りかざしてもらってカウンター狙いをしている可能性もあったりします。

なので最初ノロノロ走っているのは、緊張の糸をピンと張り詰めていつ相手が動き出してもいいように見張りながら走っているような感じですね。
見張っているのか、見張られているのかの主導権は紙一重ですが。。
切る時は一気に切らないと切れないように(実際の刀はしらんけど)、
行く時は一気に行かないと出そびれてしまって負けます。
かと言って思い切り行きすぎて、相手の目標になってしまうのも罠。
難しいねースプリントって!
走っていると色々なトラップが散りばめられていて、それを交わすのに必死な時もあります。
難しいね!
不思議能力の選手・サトミナ

続きましてケイリン。上手いこと勝ち上がって決勝戦までやってきました。
予選、準決とくじ引きで1番を引いて、あまり経験のない1番をやるチャンスでもありました。
さすがに2連チャンは「お?!」ってなりましたが、レースが終われば「なるほどな!誘導いなくなってからこう気をつけるべきだな!足の残し方はこうだな!道中のスピードコントロールはこうかな。いやでも世界選手権なら捲られてんな……」とか色々反省点めちゃありつつ決勝戦を迎えました。
決勝はサトミナ(佐藤水菜)が1番、私が2番、4番がりゆ(太田りゆ)ちゃん。

中国の2人の選手は(ユイちゃんとは別の2人の選手)予選・準決といい動きをしていたし、マレーシアの選手は動きが多いのでレースでどう動くか注意って感じでした。
誘導待避してからの3周、サトミナの後ろでレースを伺うか悩みましたが、直感と今までのレース経験から、自分のペースでレースする事を選び……

残り2周半でマレーシアの選手が動いてきたところで私も飛び出して、そのまま逃げ体制、優勝はサトミナで私は2位!

えー(笑)
また邪魔できずに終わりました……
残り2周半(残り600mくらい)で飛び出しちゃったので、ペースをうまくコントロールしながら走ったんですが、、
なんか、、なんか強いよねサトミナ。。

なんか強いサトミナ
サトミナはレースの支配の仕方に、尋常じゃない上手さあるんですよね。
真似しろって言ったって誰も出来ないと思います。
「レースを万能にコントロールする力」はトレーニング以上に直感や才能、冴え渡らせる感覚、空間把握能力があってこそ。闘争心や脚力だけでは勝てない「何か」を持っている、不思議能力の選手の1人です。

不思議能力の選手のサトミナ
ケイリンの1日は間の休憩時間が結構あったので、一生懸命おにぎりとバナナを食べまくって、観客席のところで寝て回復。

おにぎりとバナナを食べて……

観客席で寝る
寝る力もまた大切です!
結局どの日も1日中レースがあるので、いつでもオンだと疲れてしまいます。
だんだん私も、レースの瞬間だけオンにできるようになってきました!
そんな感じでレースのお話はおわり!
ドリアンにも屈しない

レースの次の日はオフだったので、近くの市場でサトミナにドリアンチャレンジしてもらいました。


「なんか普通に食べれる!」とか言ってほぼ完食してて、やっぱ変なやつ!
「息しないで食べれば味はメロンになる」という噂が出回ってて私も食べたんですが、私にとってはどうやっても生ゴミ100倍腐った味でしたねー。
食べれる人あれどういう感覚?笑

って事でマレーシアを〆まして、帰りの空港で日本にもあるチェーン店の点心のお店でお口直ししました。1週間で日本の味求めるのは早すぎ(笑)
でもマレーシアはご飯も美味しかったし、現地の人も、タクシーの人も優しい人ばっかりで、いい国だったなー!

ランチボックスについてくるアイスコーヒー
次は世界選手権!
フランスで合宿をしてから、そのままイギリスのグラスゴーに入る予定です。
1ヶ月近くの遠征で、日本食恋しすぎないかな?
いくつになっても、何回やってもそんな事考えてます(笑)
どうなることかはまたお楽しみにー!
———
選手への質問、応援メッセージはこちらからどうぞ!
梅川風子Instagram↓



