あの時、あの瞬間、何を考えていた?世界選手権の裏側/ふ〜こらむ vol.36
2023.08.13
チーム楽天Kドリームス所属、梅川風子選手によるコラムVol.36をお届けします。8月3日から9日までイギリス(スコットランド)・グラスゴーで開催された『2023世界選手権トラック』の振り返り、帰国ほやほやコラムです!
梅川風子プロフィール

元・全日本学生選手権優勝のスピードスケーター。チームスプリントに軸足を置く一方、個人種目でも成績を納める。パリオリンピック出場枠獲得を目指し奮闘中!
前回(Vol.35)はこちらから
梅川風子 世界選手権リザルト一覧
チームスプリント:10位(48.148)
スプリント:21位(予選タイム:10.894)
ケイリン:23位
グラスゴーでの日々の話

世界選手権が終わりました〜
おわりたてほやほやです。
前回のコラムで書いた通り、フランスでの事前合宿ののち、イギリスのグラスゴーに入りました。
フランスでの一コマ↓

フランスでいつも2人でウォームアップをしていた、カキタマ(垣田真穂)とみずき(池田瑞紀)ちゃん

フランスでウォッカを買う人たち

フランスでマカロンに並ぶ人たち……その店、御殿場アウトレットにもあるような
さて、グラスゴーです。拠点となるホテルは思いっきり街中で、ホテルを出ればコンビニやスーパー、カフェやレストランなどなんでもあってめちゃくちゃ都会。

フランスとは雰囲気もちょっと違くて、
「おぉ、、ハリー・ポッターの世界観そのまんま!」って感じです。
知識皆無(イギリスの知識はハリー・ポッターのみ)で入ってしまったので、言語化できずごめんなさい。

イギリス飯はまずい、ってことはない!

いっつもご飯がどーのこーのうるさい私ですが、
グラスゴーのホテルの食事は普通に美味しかったです。子どもの頃、親が「イギリスのご飯はおいしくない!」と言っていたことを妙に覚えていて、不味いのかもなー?って思ってたら(笑)
まあ名物のフィッシュ&チップスを食べろって言われたら、それは無理なんでしょうけど。。

朝ごはんにはたくさんのイギリスパンが並んでいて、ハムとチーズもたくさんあるし、パッサパサだけどレースの食事としては低脂質で助かるなって鶏肉だったりをよく出してくれました。

夜はたまに「え?なにこの味?なんの肉使った?」っていうミートボール煮込んだやつとか、なんの魚肉ソーセージを揚げたの?!っていうカツレツが出てきて萎えちゃうときもありましたが、基本的に全然食べれたなぁ……

あとよかったのは、メロンとスイカが異常に美味しかったこと。夜はフルーツ食べない習慣(太りやすいから!)なのに、イギリスに来てからほぼ毎日フルーツ食べちゃいました……

寒い国なのにフルーツがおいしい不思議。
お水が安心な国なので、サラダやフルーツを食べられる幸せはでかいですね。
アジア諸国だと、すみませんが食べられませんので……

あとあとご飯の話で言うと、レストランで店員さんが話しかけてきたときの話……
レースが終わってから我慢できずに日本食レストランに行ってみたんですが、ちょっと全然美味しくなくて……

美味しい?って聞かれたラーメン
お皿に結構残した状態でご馳走様の雰囲気出してる時に、店員さんが「美味しかった?」って聞きに来たんです。
まずいとも言えないので、「んー、good」って言ったら「本当に?本当に美味しかった?」って疑ってきて、いや美味しくないとも言えないし……!あの時間むずいんですよ〜(笑)
未知への恐怖、チームスプリント

さてレースの話に少し触れたいと思います。
まずはチームスプリント。
1走はアキちゃん(酒井亜樹)、2走はさとみな(佐藤水菜)、3走が私の編成での初めてのチームスプリントです。

初めてのところに飛び込むときはいつも溺れがちな私。
だからこそ走る前は怖かった……!
でも緊張感はいつも通りで、脚の感じも別に重いわけじゃなく大丈夫。
最初の2周まではそうは言っても前に人がいてくれるわけだし、自力出すのは最後の1周だけ。大丈夫大丈夫って言い聞かせて走った予選。
予想の3倍キツかったんですけど!
どう説明したらいいか分からんほどキツかったのですが……
簡単に言うと普通に1キロ走るときに近いくらいのキツさでした。
辛すぎて、レース終わって自転車降りた後、自分のピットまでどうやって帰るか分からなくなるほどでした(たった30mくらいの道)。脚も痛いし朦朧とするし、帰り方が分からない!!
脚痛い脚痛い脚痛い……ってなっちゃうくらい辛かった。。

終わった後「3走どっすか?つらいっしょ(笑)」ってニヤニヤしてたサトミナ。
あんたはすごいよとしか言えなかったですね(笑)
今回チームスプリントの3走をやるにあたり「どれだけ辛いんだろう?千切れずに足を貯められるのかな?交代してからどうなっちゃうんだろう?」という、「未経験の不安」だけはどうしても拭う事ができませんでした。
不安に思ったところで思い切りいくしかないし、考えても変わらない事は考えても無駄!と理解はしていますが、「未知への恐怖」をコントロールする事はとても難しかったなぁって思います。
チームスプリントでの道は

こうしてオリンピックの出場枠のためにチームスプリントを強化し、ここまで試行錯誤してきたわけですが、今回の結果は10位。「8位以内」の目標には届きませんでした。
「自分がもっと走れたらタイムがでるのに」と思わずにはいられないし、多分チームの皆それぞれがこうできたら速く走れたと思うところはたくさんあると思います。
でも個人個人ここまで手を抜いたわけではなく、試行錯誤してタイムを縮めようとやってきた練習や、全力で駆け抜けてきた時間が確かにありました。全て個人の成長に繋がって、素晴らしい経験を重ねられたと思います。
全然ダメだったなと思う経験であろうとも、これからの選手生活において、そしてそれ以降の人生において、ここで得た経験は絶対に活かせるはずなので……!
これからチームスプリントでオリンピックを目指すのは厳しいと思います。
でも沢山の経験をさせてくれたチームスプリント。スタートが苦手だった私をスターターして成長させてくれたし、そこから2走、3走にまで挑戦もでき、色んな可能性を探れました。
結果が出なかった以上、正解だったかは分からないけど、試行錯誤して学んだ時間や注いできた時間は本当に素晴らしい時間でした。
結果を出せたらもっと楽しかったと思いますが、ここまで思考を巡らしチームスプリントとして注いだことで、自転車選手として本当に有意義な時間を経験させてもらいました!
この挑戦を応援してくれていた皆さん、本当にありがとうございました!!
期待して待ってしまったケイリン
チースプの次の日は軽くローラーだけ乗って、休養をとってケイリンに備えました。
ケイリンは私にとってチャンスが多い種目でもあるのですが、時にその気持ちが邪魔してしまう種目でもあります。
まさにそれが私の今回のケイリンで、強い選手の後ろでなにかを期待して待ってしまう瞬間がありました。
ケイリンは、例えるなら「使える手持ちのカードが多ければ多いほど良い」のですが、「走りながら常に2手以上のカードを持つ選手が勝つなぁ」といつも思っています。
最悪なのは「これで勝負する!」と1手の持ちカードに決めてしまうことです。

私は今回、予選(1回戦)でそれをして失敗。道中でマチルド・グロ(フランス)の後ろをとれたことでマチルド任せにしてしまいました。
それだけはやっちゃだめってわかっているのにやってしまうのが人間ですよ……(笑)
冷静さを失い、外を踏むより内に入ってしまい、勢い余って更にバンクの内側に降りて走ってしまい……ルール上それはダメなので、2着でしたが敗者戦に落ちてしまいました。
バンクの内側に降りたとか、最後の直線コースを間違えたとかより、残り1周の鐘が鳴る前までに道中で自分のカードを持たずにレースしてしまったことが1番の敗因でした。

敗者復活戦では2着上がりを意識しすぎ、柔軟に走れず敗退。終わってみれば「だよね」と自分の負けを納得してしまうシーンばかりでした。
でも、走る前はなかなkそれがコントロールできなかったり。。
終わってみれば言えるけど
何回走っても難しいよねケイリンって!
「ケイリンは運」ということは絶対に思ってなくて、ケイリンも全て実力だと私は思います。
その時によって並びの位置やメンバーとかが運というなら、スタートの号砲がなってからは自分でどうにでもできるのがケイリンです。
ただ全てのレースでうまくいく事は難しいとは思います。
その確率をもっともっとあげていくために、冷静に持ち手を増やし、正しくカードを出していく事がなにより大切だと、今回の負けで思います。
走った後に「あーすればよかったね、こうすればよかったね、ここでこの選手が来るからこんな動きができたらよかったね」って、終わってみれば言えますが、走ってる時は瞬間瞬間の時の流れの中。全ての動きを把握出来るわけではありません。後でレースを見て答え合わせをしますが、その答え合わせが正解とも限りません。
やはりレースを走ってる速度の中での判断なので、勝負の瞬間に沢山のカードを持てるよう準備できてるかが大切だなと、こうしてコラムを書きながら改めて感じます。

今回は自分のカードを減らしてばかりの、反省のレースでした。
コショコショジェイソン

ちなみにレースの中継なんかを見ていただくと映っているかもしれないんですが、レース直前までジェイソン(・ニブレット短距離ヘッドコーチ)が選手の横でコショコショ喋ってるのは、実は作戦です。
たいてい日本語と英語を混ぜながらで、
例えば「あと3周、2車身ディスタンス、and who come up、you go」とか言ってます(笑)
そのまんまですが、「残り3周で車間を切って、誰か来たら出て行け」的な事を言われます。
指示は位置や対戦相手により色々ですが、「スタートラインでこうなったらどうする?」とかも聞いたりします。
時間足りない(笑)
でもレースなので、やっぱり早い段階でレースが動いたり動かなかったり色々あります。適切な自己判断を持ち合わせながら、ですね!
日本人が同レースの時は指示はなしです。
基本自由に自分の思考だけで走ります。
一か八かの作戦、スプリント

ケイリンが1日だけで終わったので、次の日はローラーだけ軽く乗って、スプリントに切り替えました。
スプリントは得意種目ではないものの、200FTTだけは、場数を踏んだことで段々と落ち着いて走れるようになってきました。
タイムは10秒894と全然良くはないのですが、このバンクで自分の実力からするとこれくらいかなという感覚のタイム。
対戦は、スプリントではあまり「これをする!」といった作戦は立てずに相手を見ながら柔軟に走るのが通常ですが、この日だけはジェイソンコーチの一か八かの作戦1つで走りました。
一か八かの作戦とは「長い距離を踏む事」です。

スプリントでは、あまり長い距離をぶん回して走る事は好まれません。
1日何本も走るという理由も大きいのですが、この日はその1本がラストだったこともあり、思い切って仕掛けて不意をつこうという作戦でした。
なのに!
私はそのアドバイスをレース直前で理解しきれてなくて、結局相手のターゲット圏内に早い段階で入ってしまい負けてしまいました。
終わってちゃんと説明をきいて、理解した時にはレースが終わってました(笑)
力負けももちろんあります。
負けてしまったら即終了のスプリントの場面で、なかなか自分有利に走れていないのが悔しいポイントです。。
今回スプリントで戦ったオランダのヘッティ(・ファンデルヴォウ)はエジプトのケイリン決勝で一緒に転んでしまった子なので、今回お互い元気に会えてよかったです。
始まる前は険しいヘッティですが、終わればニコニコ優しそうな子です。

オールスター競輪 アルテミス賞レースに出場します!
という感じで、今回の世界選手権はなかなか難しい結果となってしまいましたが、日本に急いで帰ったらすぐオールスター競輪があります!
| 8月15日(火) | 10R ドリームレース |
| 8月16日(水) | 10R オリオン賞レース 11R アルテミス賞レース |
| 8月17日(木) | 11R ガールズドリームレース |
| 8月18日(金) | 11R シャイニングスター賞レース |
| 8月19日(土) | 9〜11R 準決勝 |
| 8月20日(日) | 11R 決勝 |
現地に応援にきてくれるであろう、競輪ファンの皆さんの前で走れるのを楽しみにしてます。是非是非あそびにきてくださいー!!
選んでいただいたアルテミス賞、爆走できますように(祈願)
でも世界選手権終わってしばしオフに入るので、しばらくトレーニングとはお別れ!
寂しいけど仕方ない!笑
オールスターでは優勝できるように皆さん現地で風子コールお忘れなく……来れる人は熱中症気を付けてね!来れない方はまた会える機会楽しみにしてますー!!!
世界選手権の応援本当にありがとうございました!!

UCIイベントブースにいた伝統的なおじちゃんたち
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選手への質問、応援メッセージはこちらからどうぞ!
梅川風子Instagram↓
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オールスター競輪期間中、16日と20日にはチーム楽天Kドリームスのブースも出店予定。チームグッズなどを販売します!詳しくはコチラ



