「コテンパンにやられた」松井宏佑の香港大会 感じるのは脚力の差/松井宏佑・インタビュー
2021.06.18
『TISSOT UCIネーションズカップ』第2戦・香港にて、大暴れしてきた日本代表チーム。コロンビアで実施予定だった『ネーションズカップ』第3戦も延期になり、アジア選手権もオリンピック後に延期・・・と、再び国際大会から離れる期間となる。
香港大会を終えた手応え、大会後の隔離期間のこと、そしてこれからのこと・・・松井宏佑選手に話を伺った。
※取材は5月末に実施しました。
久しぶりの国際大会を終えて
Q:5月中旬に行われたネーションズカップ第2戦香港大会。そこから帰国しての2週間の隔離生活ですが、どうですか?
アクティブに動けていないので、気持ち的にストレスが溜まっちゃいます。外に出るのが好きなのできついです。
Q:練習は変わらずやれていますか?
機材を家に持ってきていて、それでトレーニングを行っています。いつもと同じような高い強度ではできていないものの、それに近いことはできているので、問題はありません。
Q:久々の国際大会でした。緊張などはありましたか?
落ち着いて臨めたと思います。気持ちも変に昂りすぎず、普段の競輪の競走と同じように挑めたって感じですね。
Q:大会の全体的な感想を教えてください。
「しんどかった」です。新型コロナの関係で、普段の大会と違ったものになりました。部屋から出られないですし、ご飯も毎日運ばれてくるお弁当みたいなものでしか食べられなかった。そういう宿舎生活がきつかったです。
会場でもマスクはできるだけしないといけなかったのですが、すごく暑くて、苦しかったというのもあります。それから、スプリントの最終戦まで勝ち上がったのは今回が初めて。走った回数がめちゃくちゃ多くて、そういうのもしんどかったです。
※スプリントでの全対戦で総計9回出走している。
ずっと相手のペースに嵌められている感じ
Q:スプリントを振り返って、自分の成績にはどれくらい満足していますか?
いや、全然。「これぐらいか」って感じですね。結果は4位でしたが、脇本(雄太)さんと深谷(知広)さんにコテンパンにやられました。1本でも取りたかったですね。まだまだだなと実感しました。
Q:特にどのような部分でそう感じましたか?
ずっと相手のペースに嵌められている感じでした。どう走れば良いかわからないまま走ってしまった感じです。

深谷知広
脚力が同程度なら、いろんな戦法ができた思うんですけど、脚力の差があるので、できることも限られます。
本当は相手の裏の裏を読むとか、予想もつかないような走りをしなくちゃならなかったんですけど、強い相手のプレッシャーに負けて普通の走りをしてしまった。相手にならなかったですね。
Q:まとめると、敗因は脚力の差でしょうか?
そうですね、脚力ですね。持ちタイムやスピードが全然違いました。200FTTのタイムでその時の調子がわかってしまうんですけど、僕全然ダメで。特に最後の方の日本人対決がダメでしたね。
でも気持ちが切れなかったのは、良い点だったと思います。もちろん勝ちたかったですが、負けても「1本でもとってやろう」という気持ちを持って走っていました。まだ相手は大きいです。
ケイリンでは日本の強いところを見せられた
Q:ケイリンはどうでしたか?
予選も、3回目の順位決定戦も良い走りができたんですけど、一番大事な準決勝で積極的に仕掛けられませんでした。気持ちの弱さが出たのかもしれません。
いつもなら一番後ろから自分が一番最初に動いて、レースを作ります。準決勝では「ちょっと違うこともやってみよう」と思い、後ろで様子みて〜って感じで落ち着いたら、最後まで仕掛けられずに終わってしまいました。
Q:今回のレースの中で、一番良いと思った1本はどれですか?
ケイリンの3回目の走りですかね。準決勝で上がれなかったので、負け戦(7-12位決定戦)ですけど。日本のケイリンの強いところを見せられたのかな、と思いますね。全部突っ張って逃げきって先行したので。
Q:今回の大会で、自分以外の選手で印象に残った人は?
オリンピック内定の脇本さんと新田(祐大)さんですね。ケイリンは2人ともミスがあって優勝を逃しましたが、ああいうきつい展開でも2位・3位を獲ってくる事がすごいと思っています。
スプリントでも1位・2位で決まってすごいなと思いますし、新田さんは年齢的なハンデがあるのに、最後までしっかり走ってすごいなと改めて思いました。
Q:深谷選手はどうでした?
あんまり調子が戻ってきてる感じはなかったですけど、チームスプリントに関してはすごかったです。決勝戦では途中まで負けていたのが、深谷さんになってから逆転。そこからタイムを離したので。

深谷知広と肩を並べたい
Q:同年代の若手選手も今回のネーションズカップに出場しましたが、その中でも国際大会の経験値は、松井選手の方が上ですよね。周りに先輩風吹かせたりしました?
同年代の山﨑(賢人)と一個下の新山(響平)に色々教えたりしましたね。
行く前に「こういうの持っていったほうがいいよ」とか。出発する日が違ったので、先に行った僕が気づいたものとか。
Q:例えばどのような?
レストランや食堂での食事ができないので、調味料とかも全くなかったんです。なのでご飯やおかずにかけるもの、醤油とか砂糖とか・・・あとは洗濯機も使えなかったので、洗濯用の備品があると良い、とかも教えました。
Q:同年代若手の走りで、印象的なものはありましたか?
新山は「強いのにもったいない走りしちゃってたな」って感じはありますね。落車しちゃって。
山﨑に関しては・・・ないっすかね。スプリントで失格になっちゃったんですけど、もうちょっと普通に、変なことしないで走れば、落ち着いて走れば、と思いました。本人もショックを受けてたみたいなのでまだ言ってませんが、後々教えてあげたいですね。

山﨑賢人
Q:松井選手ってナショナルチームでどういう立ち位置ですか?パリオリンピックを目指す若手組の中では深谷選手がリーダー格で、それ以外の入ったばかりの若手がいて、でもその中で経験豊富なのが松井選手ですよね。
どうでしょうね・・・のほほんマイペースキャラですかね、先輩方からはいじられますし。深谷さんがリーダー格なのはそうだと思います。できれば、将来的には深谷さんと肩を並べられるようになりたいですね。
今は全然足元にも及ばないので、必死にしがみついている感じです。

次のオリンピックに向けて、先輩たちの姿を思い浮かべながら話してくれた松井選手。同年代の選手も牽引する存在になるのは間違い無いだろう。次回の国際大会の具体的な日程は未定だが、目指すパリオリンピックに向けての活躍を期待したい。



