速い!楽しい!TORAYの自転車/ふ〜こらむ vol.54
2024.06.09
チーム楽天Kドリームス所属、梅川風子選手によるコラムVol.54をお届けします。今回は、新たに乗り始めたTORAY(東レ)の自転車をレポート!「特殊すぎる」というこの自転車の新しい感覚とは?
梅川風子プロフィール

元・全日本学生選手権優勝のスピードスケーター。競輪選手と自転車競技選手の二足のわらじを履きながら、世界の舞台で戦う。
前回(Vol.53)はこちらから
これトップスピードで乗りこなせるかな……?
最近は新バイクとして投入されたTORAY(東レ)の自転車に乗る時間も増えてきたのですが、これって私たち競技者からしても特殊すぎるバイク。今回はこのバイクをご紹介していこうと思います。
※私なりの感想です。人によって全然違う感想になると思いますので、悪しからず!

パッと乗ってみた感想は「おっっも」って感じ。少し重量感があります。
ただ、走ってるとさすが。
本当によく進みます。
私も一応競輪選手の端くれですが、初めてまたがったときは「これトップスピードで乗りこなせるかな……?」と不安になるほど。重たくも進む感覚、逆に走り出すとスピードに乗り、軽く進んでいく、不思議な新しい感覚でした。
そんな新しい感覚の紹介をします。
新しい感覚1:ハンドルを切れない
前についてる角みたいなのがあるのですが、このために普通の自転車より全くハンドル切れないんですよ(笑)

右がTORAYのバイク。ハンドルを切れる最大値の違いがわかる
「レース中、そんな急ハンドルを切ることは基本ないから大丈夫」という考えみたいなんですが、スプリントではスローな場面でたまに急ハンドルある気がするけど……と思ったりも。
でもこないだのジャパントラックカップでサトミナ(佐藤水菜)がそれをやって、大丈夫なことを証明!
そりゃあそうか!
ただの私の不安でした(笑)
新しい感覚2:内臓逆位
今まで乗っていたブリヂストンや他のメーカーの自転車(ママチャリも全部)は、ほぼほぼ右足側にギヤがありますよね。
それが全部左足側についてるのがTORAYです。

右がTORAYのバイク。左足側にギヤがついている
「エンジンが全て逆位」になってしまっている。その理由は「トラック競技において空気抵抗がとても良い」という噂です。
私にとってこの内臓逆位現象は、そこまで違和感はありません。人によりけりかも。
乗ってる時に足元を見たら、いつもと違いすぎて変な感覚になっちゃう気はします。
新しい感覚3:前の角を蹴り上げてしまう問題
セッティングの仕方にもよる話ですが、例えばゼロスタートの時、太ももが角にタッチ(笑)

「角のような部分」に太ももがタッチ

若干めり込み気味
踏み出しでスタンディングする場面、ハロン(200mFTT)で駆け出す場面でもタッチ!とにかく駆け出す場面は要注意(笑)
ちょっと気を使わないと膝や太ももで角を蹴り上げて、ハンドルがブルブルしちゃいます。
サトミナが日本記録を出したジャパントラックカップでも、この膝で前を蹴ってしまう問題があり「ちょっと修正しながら走りましたー」って言っていました。

2024ジャパントラックカップにて、TORAYのバイクを使用した佐藤水菜は200mFTTで日本新を2日連続で更新
「それでその記録?!」って思いましたが(笑)
その気遣いをも上回る前進性
という、ちょっとまだ走る時に気遣いも必要なTORAYですが、その気遣いをも上回る前進性!
走り出せば本当に速い!
車体もそうですが車輪もTORAY製。
TORAYのディスクホイールのみ着けることができる仕様なので、ロード車輪や練習車輪をつけることはできません。
なので、オリンピック後の一般利用は難しいのかなぁと思いますが、どうなんでしょうかね……

後日、特別に組み上がったという練習車輪
速い!楽しい!って思えた初めての自転車
とにかく、私が乗って速い!楽しい!って思えた初めての自転車です。
実際に中長距離がパシュートで日本記録更新、サトミナがスプリント日本記録更新。脚力アップは勿論のこと、自転車の進化も間違いなく面白いTORAY自転車です。

2024ジャパントラックカップ I 女子スプリント表彰台。左から梅川風子、佐藤水菜、小原乃亜
パリ後ももっともっと改良されて新しくなっていきそうなTORAYの自転車。
ぜひ皆さんにも乗ってみてほしい1台ではありますが……試乗会とかあればいいですけどね!
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