“ピークを作る”ことの難しさ/ふ〜こらむ vol.60
2024.09.29
チーム楽天Kドリームス所属、梅川風子選手によるコラムVol.60をお届けします。
アスリートからよく聞かれる“ピークを作る”という言葉。その難しさと、その後のキツさを綴っていただきました。
梅川風子プロフィール
元・全日本学生選手権優勝のスピードスケーター。競輪選手と自転車競技選手の二足のわらじを履きながら、世界の舞台で戦う。
前回(Vol.59)はこちらから
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“ゾンビ足”の仲澤はるたん
全日本選手権のあと、すぐに平塚競輪に参加してきました!
現地観戦に来てくれた方、ネット応援してくれた皆さん、ありがとうございました!
優勝したのは、今ナショナルチームで練習を共にし始めてる仲澤はるたん(仲澤春香選手)。
わたしは“ゾンビ足”って密かに呼んでます。
「足、乳酸でいっぱいにならない(足痛くてノタウチ回るやつ)タイプでしょ?」と聞いたら、
「はい!!乳酸たまらないんですよ!」っと元気よく返されました。
やれやれ……怖いなぁ!次は負けないぞー!
平塚競輪場はもはや地元?
そんな平塚競輪場は地元?!ってほど走る機会が多いバンクで、多分ホームバンクの京王閣より走っていると思います。
約1年半前に来た時から変わり、施設もご飯もすごくよくなってました!
ご飯はアスリート栄養士さん監修ということで、少しずつこうやって全競輪場が変わっていくと嬉しい限りです。
平塚市さん、過ごしやすい環境をありがとうございました!
バタバタとトレーニング中です
自転車競技の方は今シーズンの最後を締めくくる、世界選手権がデンマークで行われます。
オリンピック→全日本選手権→競輪開催が終わり、もう来月には世界選手権。世界選手権が終わってようやくひと休みかも!って感じで、それなりにバタバタとトレーニングして過ごしています。
いつもは世界選手権に向けて1年間トレーニングを組むのですが、今年はオリンピックに向けてトレーニングを組んできたので、全員オリンピックで一旦“体が終わってる”状態。そこにすぐレースなので、競技をしていると日程によってはそれがハンデとなる過酷さもあるなぁと私は感じたりします。
“体が終わってる”とはなんなのか
“体が終わってる”というのを少し細かく説明すると、一年に一度ひとつの大会にピークをもっていくと、その大会後は体力は、確実にめちゃめちゃ落ちます。
「大会にでてるのに体力落ちるって何?」って思うかもしれないのですが、タイムを出すことを求められる競技の特性上、大会1か月前くらいからトレーニングで走る本数を調整したり、ウエイトトレーニングも少なくなり、ロードも軽く乗るだけに。疲労を抜いて、体のキレをよくする作業がメインになってきます。
そこにくるまで長い時間をかけてハードなトレーニングをしてきた分、疲労を溜めないようにしながら1か月ほどかけてスピードを出すトレーニングに特化して、大会で走り切るギリギリの体力をキープしながら、競技の時は過ごしています。
ハード期で体力100%、スピードは70%。
レース期は体力80%、スピードは100%。
こんなイメージです。
ピークを作った後のキツさよ
このピークを作った大会後、通常のトレーニングに戻すと死にます(笑)。
絶望するほど、全く動けません。
もうトレーニング1からやり直しレベル。
大事な大会ではそういう調整をするのですが、それがうまくいくかいかないかも差がある。
本当にギリギリの調整だな……と、レース結果を見て思いますし、通常の練習を再開した時にその辛さで感じるのでした。
そんなわけで、ようやく“普通のトレーニング”を“普通にやれる”ようになってきました。
世界選手権に向けて頑張るので応援してくださーい!
競輪は競輪祭走るよー!
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